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「ここの生徒曰く、昔のテメェは生徒思いで仕事熱心ないい先生だったんだとよ。それが今はどうだ?一人の生徒に現つを抜かし、仕事もろくにこなしてねぇ」
「・・・っ、」
「他人の色恋に口出ししようとは思わねぇけどな、男なら自分の仕事投げ出してまで愛だ恋だに走るんじゃねぇよ」


ギロリと北川を睨み付けながらそう言うと、北川は不愉快そうに顔を歪めて小さく舌打ちをする。
そして小気味のいい足音を響かせながら教卓の前まで移動して、ぐるりとクラスを見渡した。



「・・・・・・悪かった」



緩く頭を下げながら吐き出すように言った北川の謝罪に、クラス中が唖然として静まりかえった。

あの北川先生が謝るなんて。

今クラスの連中はきっとそういう風に思ってんだろうな。俺もまさかこんなあっさりと謝るなんて思ってなかったし。

クラス内が混乱しているのを知ってか知らずか、北川は教卓から書類を引っ張りだし先々と話を進めていった。




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