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チラリと視線をやれば、そこに居たのは・・・・あー、名前なんだっけか。し・・・しー、しん・・・・伸介?ああもう、分からん。とりあえず伸介でいいだろ。要するにあれだ、転校生にお熱の爽やか同級生。
んで、お前が何の用なのかな?
「な「悠くん・・・だよね?」・・・は?」
何か用かよ、そう言おうとしたら食い気味に伸介が口を開いた。
つぅか何、悠くんって。
「何、悠くんって。俺てめぇとそんな親しい仲になった覚えねぇんだけど?」
「・・・・!!」
冷えきった目でそう言えば、伸介はクッと目を見開いた。そして、
「やっぱり悠くんだ・・・!!」
「うおっ!?」
伸介はパアッと顔に花を咲かすと、嬉々とした表情で俺に飛び付いてきた。
突然のホールドに転げそうになるのを何とか持ちこたえ、俺の肩口に顔を埋める伸介を引き剥がそうと襟首を掴む。
「抱き付いてんじゃねぇよ、気持ち悪い!!つぅかマジ、悠くんって何だよ!」
「悠くんは悠くんだ!俺のこと覚えてない!?小学校の時俺が苛められてたの助けてくれたじゃん!」
「・・・・は?」
伸介の言葉に俺は襟首を掴むのを止め、代わりに髪の毛を引っ掴んで無理矢理顔を上げさせた。
「何、訳わかんねぇ。ちゃんと俺に分かるように説明しろよ。てめぇ、小学校はここじゃなかったのか?」
この学園は幼稚舎から大学院までのエスカレーター式となっていて、大体の生徒は幼稚舎から通っているはず。
それなのに俺が小学校のときこいつと会ってるとか、おかしいだろ。
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