13




ぐずぐずと鼻を鳴らすそいつにため息を吐きながら、押し付けていたハンカチで器用に涙を拭いとる。


「情けねぇな・・・。お前それでも男かよ、チンポ付いてますかー」
「なっ・・・!?」


俺の言葉に勢いよく顔を上げたそいつは、白い肌を真っ赤に染めて長い睫毛を涙で濡らしていた。

・・・やっぱこいつ付いてねぇんじゃねぇの?



「まぁお前にチンポ付いてなくても付いててもどっちでもいいんだけどな」
「つ、付いてるよ・・・!!」


押し付けられたハンカチを退かしながら、そいつは顔を真っ赤にさせたまま叫んだ。
必死な顔して男だと主張するそいつが面白くて、俺はつい笑ってしまう。



「ふはっ、顔真っ赤じゃん。どんだけ必死なの、はははっ」
「・・・・っ!」


ケラケラと笑いだした俺にそいつは目を見開き、そしてさらに顔を赤くさせた。

どんだけ必死なんだよ、マジで。



瞬きすらしないそいつの頭をぽふりと叩き、俺はクラスの奴らの方へ顔を向けた。


「もう一度だけ言うけどよぉ、俺は生徒会とかマジで興味ねぇのよ。寧ろウゼェし。だからこれ以上生徒会関係の嫌がらせしてみ?

・・・潰すぞ、マジで」



にっこりと笑ってそう言えば、教室の温度が少し下がった気がした。
いやまぁ、気のせいなんだろうけどな。


怯えや戸惑い、何か知らんが熱っぽい視線を感じながらも、クラスの奴らの反応に満足した俺は自分の席に向かおうと歩きを進めた。
・・・んだが、




俺の歩みは何者かに腕を掴まれたことによって遮られてしまった。


prev next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -