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困惑と驚愕の入り乱れた表情で俺を見つめるクラスの連中をぐるりと見渡して、俺は今までの鬱憤を吐き出すよように話し出す。


「俺はな、平和に生きたかったんだよ・・・。わかるか?あ?」

一番手前の席に座っていた無駄に目のでけぇ奴に問いかければ、そいつは訳の分からないといった表情でコクコクと首を上下に振った。


「は?テメェに分かられて堪るか。いいか、俺はな、誰にも認識されずに地味に平和に三年間を過ごす予定だったんだよ。テメェらみてぇな野郎同士でキャアキャア言ってる連中なんかと仲良くしたくねぇし?」


見下すように鼻を鳴らすと、何処かから「塚本を使って生徒会の皆様に取り入ったくせに」、という何とも聞き捨てならねぇ声が聞こえた。
俺はその声の主の方にコツコツと足音を鳴らしながら近付いて、薄らと化粧を施してあるそいつの目を睨み付けた。



「今、何つった?」



吐き出した声に威圧感を乗せながらそう言うと、そいつは一瞬怯えた素振りを見せたものの、整った顔を醜く歪めて怒鳴りだした。



「だから!塚本を使って生徒会の皆様にお近付きになったくせにって言ったの!お前みたいな平凡があの方達に軽々しく近付くなんて・・・無礼にも程がある!迷惑だって気付けば!?だいたい・・・っ」



キャンキャンと吠えるように叫ぶそいつの口を手の平で覆い隠し、俺はグッと顔を近付けた。


「ふざけんな、ふざけんなよ・・・・」
「っ!!」





静まり返った教室に俺の声だけがやけに響いた。




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