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春の暖かい陽だまりの中、俺は不自然な温もりと布団ではない何かの重みを感じて目が覚めた。
「・・・・・」
寝呆けた頭を豪快に掻き毟り、背中に感じる温もりへと顔を向ける。
「・・・・何で、」
目の前には鋭い瞳に半分しかない眉、無駄に整った顔立ちのソイツは、昨日嫌と言うほど見た不知火の顔があった。
・・・・何でこいつが俺の布団に入ってんだよ。
たしか俺は昨日気絶して目を覚まさない不知火のために、わ ざ わ ざ 後始末をして、一向に意識を取り戻さない不知火をソファーの上にほったらかしたまま眠ったはず。
なのに、なのに何で。
「何でお前がここに居るんだ、よっ!」
「っ!?」
暑苦しくも俺の背中に抱き付いて寝ている不知火の腹に肘を入れると、不知火は声にならない声を上げた。
ゲホゲホとむせ返りながら腹を押さえる不知火に追い討ちをかけるように、俺は不知火をベッドの上から強く蹴り飛ばした。
「ぐぁ・・・っ!」
蛙が潰れたような声を上げる不知火の腹を足で踏みつけ、俺はゆっくりと口を開く。
「何図々しく俺のベッド入ってんだよ、あ?テメェ風呂入ってねぇくせに汚ぇだろうが馬鹿が。ざけんな、つぅか服着ろヘンタイ」
「・・・っ、だって寒かったんだから仕方ねぇだろーが!」
「だから服着ろっつってんだよ!」
「俺は寝るときは全裸派なんだよ!」
「知らねぇよ!つぅか夜起きたんならそのまま帰れよな」
「うっ・・・、うっせー!!」
何故か顔を真っ赤に染める不知火を見下げながら、俺はある部分に視線を向けた。
・・・朝っぱらから勃たせてんじゃねぇよ!
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