短編集 | ナノ





線と線。
横にでも縦にでもいい。両方を同じ向きに並べる。
2つの線はどこまでも伸びる。
どこまでも、どこまでも。
絶対に2つの線は交わらない。

それが平行線。


俺はクラスでは目立たない存在。友人もそれなりにいるけど夏休みが明けた今もクラスの人たちとはあまり馴染めてない。人見知りな性格と俺の陰気な見た目がそうさせてるのだ。
黒い髪にフレームのない眼鏡をかけていつも教室の隅っこで黙々と休み時間にまで勉強をする俺。ついたあだ名が「がり勉オタク」。やんちゃ者の多いクラスで俺はあんまりいい印象は持たれてないらしくそんな小学生がつけるようなあだ名がつけられてると知った時は笑った。

そんな俺と対して、後藤昴。彼はクラスで一番の人気者だ。
休み時間にはいつも男女問わず彼のまわりに人が集まる。他のクラスからも来る始末だ。女子からはもちろん高頻度で告白されてるらしい。でも彼女ができたという話は聞かないのはなぜだろう。
部活はサッカー部に入っていて彼はエースらしい。勉強のできはあまりよくないらしいがクラスの人たちがいつもテスト前になると一緒に勉強しようと彼を誘う。
当然のように見た目もいい、ノリもいい、誰にでも優しい、そんな人が嫌われるはずがなかった。


俺、前沢慧と彼、後藤昴はまさにその平行線のような関係なのだと思う。

光と影。
水と油。
天と地。

人気者と、嫌われ者。


決して相容れることはない。正反対、真逆の存在、そんなもの言葉を探せばいくらでも簡単に俺たちの関係は言い表すことができた。



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