天邪鬼の猫。 | ナノ






「涼ちゃんのセフレって何人ぐらいいるの?」
「みんなかわいい?」

自己紹介を終えると双子書記がソファでくつろぐ俺に寄って来てそー聞いてきた。
何そのセフレいます前提の質問。どんな誤解されてんの俺。確かにこんなチャラいナリはしてるけども。てか会って数分の相手にいきなりその質問はないだろ。


「俺セフレなんていないよぉ」

「うそだあ!」
「その冗談つまんないよー」

ちょっと双子書記、それは失礼すぎるだろ。さすがの涼ちゃんもブロークンハートだぞう。

「ってか、俺よりかいちょーの方がセフレいそうなんだけど」

なんかめんどくさい質問だから話を頬杖をついてたかいちょーに振る。

「セフレはいねぇけど親衛隊の奴となら何度か」

「あっそ」
「へー」

すると双子はつまらなさそうに返事した。あっ、ちょっとかいちょー悲しそう。

「ふくかいちょーはぁ?」

「私ですか?私はもちろんいませんよ」

予想通り。ふくかいちょーにそんなのいなくてよかったぁ。いたらなんかちょっと悲しかったかも。ふくかいちょーのことが特別な意味で好きって訳じゃなくて、こんな清純派っぽい感じの人にそうゆうのがあったらなんかがっかりしちゃう。

生徒会室が双子のくだらない質問によって少し和やかになる。ほんとにくだらないけど。

「それより、会長。企画打ち合わせの方は…」

「ん、ああ。今年の歓迎会だが…」

するとふくかいちょーがそうかいちょーに催促する。今日の集まったもう1つの目的である話が進む。

pipipi...
生徒会室に着信音が響く。俺のはマナーモードにしてあるから俺のじゃない。

「公共の場では携帯をマナーモードにするか電源を切りましょおー。これ社会のルールだよぉ」

ぷん、と口を膨らませて可愛くもないのに女の子ぶってみる。そんな俺に対して、

「生徒会室じゃこの俺自身がルールだ」

暴君かいちょーはそう言った。携帯の持ち主はどうやらかいちょーだったらしい。かいちょーは部屋から出ずその場で電話に出た。


「――はい。分かりました」

電話に出て、しばらくしてからそれだけ言うとかいちょーは電話を切った。ふくかいちょーが理事長ですか、と聞くとかいちょーはああ、と一言。
相手が理事長ということもあって大事な話なのかなって思ったけど俺にとっちゃどうでもいい話だからかいちょーとふくかいちょーの会話は聞き流した。

「…で、話の続きなんだが歓迎式については今年は例外で5月に行おうと思う」

「えーうそー」
「会長なんでー?」

「詳しく言えば歓迎式を2回すると言ったほうがいいか。とりあえず春休みが明ければ高等部の全学年をホールに集めて挨拶とクラス分け発表だけの集会を行う。そしてしばらくしてから先輩後輩の交流会をしようかと考えてる。その交流会の具体的な内容はまだ考えてないんだが…」

へぇ、その方が新1年生は新しい高等部の生活に慣れてから先輩たちと交流できるし、いいかもね。そしてその交流会の内容を決めるのが俺達生徒会の一番最初の大きな仕事ってわけだ。

かいちょーって意外と考えてるんだなあ。



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