天邪鬼の猫。 | ナノ






「そういえば涼、篠どこにいるか知らねェか!?」

会長席に座って俺のお菓子を食べていた凛くんはふと思い出したのか突然聞いてきた俺はパソコンを打つ手を止めて少し考える。


「かいちょー…実家に戻ってないの?」

「篠戻らないって言ってた!あと澪と雄真と奏真も!」


うそん。じゃー生徒会役員て全員学園に残ってるわけ?帰ってくれませんかねぇ。ばったり会っちゃう可能性もあるじゃん。俺はショックを隠しつつ凛くんの言葉に返事をする。


「俺は見てないよう。自室とかにいるんじゃない?」

「部屋は見てなかったな!じゃ、俺探してくるな!またな!涼!」


ばん、とまた荒々しくドアを開閉して凛くんは部屋を出て行く。なんかすごい疲れるんだけど。
はぁ、と一つ溜息を吐いてまた作業を続行する。




…今頃、篠は凛くんと2人でいんのかな。あの2人って付き合ってんのかな。くそう、なんか集中できなくなってきたぞ。俺はぐい、っと自棄酒飲むみたいにコーヒーを体に流し込んだ。


「…いやだなあー…」

振られた癖にいつまでも引きずってる自分。本当にあの2人が付き合ってたら、って考えれば考えるほど嫌になる。俺はヘッドホンをつけてお気に入りのアーティストの音楽を流した。何も考えずに今は仕事に集中しよう。今はそんなこと考えてる場合じゃないんだ。夏休みフルに使っても学園祭の準備を完璧に出来るかわからないし、宿題だって嫌になるくらいあるんだから。
そう考えるとパソコンを打つ手が少し早くなった気がした。



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