天邪鬼の猫。 | ナノ




夏休み


蝉の声が煩い。太陽がじりじり暑い。だけどそんなの気にしない。だって今日から…。


「夏休みだあー!」


俺しか居ない生徒会室で叫んでみる。なんか清々しいなあ。

テストが一昨日にあって昨日、答案が返却された。授業免除を使った俺は全教科のテストの点数90点以上取らないといけなかったんだけどそれも無事に90点以上取れました。数学が100点だったのは嬉しかったなぁ。

で、そしてついさっき1学期終えますよーっていう集会が終わったばっかで。殆どの生徒は多分今頃実家へ戻ってるんじゃないかな。

生徒会室の窓から正門が見えるんだけどその正門をやたら黒光りする長い車ばっかがさっきから抜けて行ってる。この学園は全寮制だから家に帰れるのは長期休暇の時だけだから初日から実家に帰ってるんだろう。実家からの迎えの車とかだと思うんだけど。
学園を出て行く車の数は相当な数だしきっとこの学園に残ってる生徒の数って結構少ない。ってことは勿論生徒会のメンバーも帰ってるってことだろうと考えた俺は久しぶりに生徒会室に来た。

理由は学園祭準備をできるとこまで進める為なんだけど、本音は実家に帰りたくないから。朝陽は実家に帰ったらしくてちょっと寂しいけど俺は学園に残ります!実家の両親と兄弟!ごめん!


「まずはアンケート作りかなぁ…あり?」


少し浮かれ気味な俺の前に1つの疑問。生徒会室内に山のように聳え立つ俺の天敵の書類たち。それが篠の席にはない。

もしかして篠って…生徒会の仕事やってくれてる?

ふくかいちょーや双子書記や、俺の机にはたんまりと書類の山ができてるのに。実家に持って帰って仕事してるとか?…それならすごく助かるなあ、なんて考えながら俺はパソコンと向かい合った。



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