天邪鬼の猫。 | ナノ






「おら、さっさと行くぞ」

「だって篠っ!涼、俺が好き嫌いを直してやる!って言ってんのに食べないんだぜ!?サイテーだよなっ!!」


やっぱ慣れないなあ。てんにゅーせいとかいちょーが一緒に居るところを見るのは。この状況、隣に朝陽がいなかったら俺また泣いてたかも。もうどうでもいいからどっか行って欲しい。気抜いたら俺泣いちゃう。


「凛に近づくんじゃねェよ」


俺から近づいたワケじゃないもん。俺はかいちょーと目を合わせることができないままそう俯き呟いた。食堂内が煩いから俺の声は掻き消されたけど。俺は苦し紛れに残り僅かだったいちごミルクを飲み干した。


「…涼、お前はこれでも生徒会を壊すなと言うのか」

「朝陽…」


かいちょー達が生徒会専用スペースに上がってから沈黙が流れたまま、暫くしてから朝陽がそう口を開いた。


「朝陽も知ってるでしょお。俺、まだかいちょーの誤解解けてないんだよ…」


そんな風に言っときながらなんだけど俺、誤解解けないと思うんだよね。てゆーかむしろ解く気がないっつーか…。

頑張って、意味あんのかなあ。俺。

誤解を解いたたとしても、篠はまた俺を愛してくれるわけでもないし、ふくかいちょーや双子の2人とも仲良くなれるわけでもない。


「…頑張る意味なんかないじゃん…っ」


なんとか、涙は堪えた。



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