天邪鬼の猫。 | ナノ
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「うぇー…」
この量はさすがに俺でも食べきれないんじゃないかな。机いっぱいに広がる肉の山。それはもうちょー豪華食材を使った和食に洋食、中華に韓国料理…もういろいろすぎる。俺、こんなの食べきれないし。いや、甘いものなら食べれるけどさ。お肉はあんま好きじゃないからなあ。
「ほらっ!涼っ!食え!」
キラキラと顔を輝かせて有無を言わせないその笑顔。…俺この子に勝てる気がしないやあ。
「俺、肉とかは嫌いなんだあ。ほら、草食系男子ってやつう?」
「好き嫌いは駄目なんだぞ!!早く食えよっ!!」
「んむぅ…っ」
そう言うとてんにゅーせいは俺の口に無理矢理フォークで突き刺したサイコロステーキを押し込む。突然のことに俺は少し息苦しくて対応できなかった。噛もうにも大きすぎて噛みづらい。
生理的な涙が目尻に溜まる感覚がする。一応俺は生徒会会計な訳で高等部生徒全員に嫌われてるてんにゅーせいのこの俺の口に無理矢理に肉を突っ込む、という行為は他の生徒達の反感を買うわけで食堂が一気に騒がしくなった。チワワな生徒達の許せない!って声とか体格のいい生徒の転入生ナイス!って声とか。…ん?ナイスってどーゆう意味だ、こら。
「葉山凛、いい加減にしろ」
朝陽のちょー低音冷徹ボイスが食堂全体に響いて静まり返る。そんなに大きい声でもないのに威圧感がハンパない。てんにゅーせいは肩を大きく揺らしてフォークから手を離した。
「風紀委員長の久代朝陽ですね…。あなたまた凛を泣かせるつもりですか」
「俺は葉山凛を泣かせた覚えはない。それに、涼が嫌がっているだろう。無理に食べさせてやるな」
「なんでだよっ!好き嫌いは駄目なんだぞ!!俺が涼の為を思ってやってるのに!!朝陽、最低だっ!!」
「涼の為を思うなら今すぐここから立ち去ってくれ。あと、俺の名を呼んでいいのは涼だけだ。軽々しく呼ぶな」
うっひゃー。朝陽ちょーカッコいい。ふくかいちょーと双子書記がちょー睨んでるよ。周りにいる他の生徒達は朝陽のことさすが風紀委員長!ってな感じで尊敬のまなざしで見てるし。すっげー憧れるよ。
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