天邪鬼の猫。 | ナノ






「ひっ!かい、ちょ…っ」

「お、おい…まずいよコレ…!!」


俺を捕らえていた生徒達の手が震えてる。…そりゃそうだ。かいちょーすげー殺気出してるもん。俺の心臓止まっちゃいそう。ちょー怖い。


「さっさと失せろ」


舌打ちしながらかいちょーはそう言うと男子生徒たちは一目散に逃げた。残された俺とかいちょー。……ちょ、これは何のイヤガラセ?


「…あ、はは…かいちょー…ごめーわくおかけしましたぁー…」


ダメだ、足が震えてる。上手く立てない。今更になってレイプされかけた恐怖が俺を襲う。心臓のバクバクがやたらでかくなって早さがどんどん増して俺はへなへなと壁にもたれながら床に座り込んだ。
…くそう、かいちょーに情けないところを見せちゃった。なんでかいちょーが此処にいるんだよ。


「…凛がテメェに助けられたと言って俺に助けを求めてきた」


あの転入生は何でかいちょー呼ぶかな。俺、風紀の人呼べって言ったのに。
…てか、かいちょーも助けに来なくていいのに。

…あぁ、あの大事なてんにゅーせいの頼みだから断れなかったのか。そんなことどーでもいーから早くどっか行ってくんないかな。俺にとっちゃこの状況もう地獄なんだけど。



「かいちょー…ごくろーさまだねー…俺、もう暫くここにいるから…早く逃げちゃいなよ、」


ダメだ、俺。もう少しだけ泣くの我慢。かいちょーに泣いてるとこ、見られたくない。



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