天邪鬼の猫。 | ナノ




鬼ごっこ


「あー…久しぶりの生徒会室だぁー…」


かいちょーに振られてから俺は学校が終わればいつも生徒会室に足を運んでいたけどここ1週間程はずっと生徒会サボってたんだよね。単にかいちょーに会いたくなくて。あ、あと仕事もめんどくさくて。


仕事、ちょー溜まってるんだろうなー…他の役員に怒られるなぁー…


どうやって謝ろうと言い訳を考えながらガチャ、と少し久しぶりの生徒会室の豪華な扉を開けて執務室に向かう。俺は机に溜まった仕事の量と怒っているであろう他の役員の姿を想像しながら執務室へと繋がるドアを開けた。


「ありり?」


まず俺の目に映ったのは想像していたよりも遥かに上を行く数の書類の山。その山が俺の席だけでなく他の役員の席にも溜まっているから驚きだ。それに加えて人はこの生徒会室内に俺しかいない。

つまりはこれはなんだだ。なんらかの理由でこの1週間、他の役員達も生徒会室には来ていなくて仕事が溜まりまくったということか、この状況は。…何故だ。



「…とりあえず、仕事を片付けた方がいーよね」


俺は締め切り期限が近いものを書類の山から見繕って涼ちゃん特製コーヒーを淹れてから書類にサインをしていく。あ、計算しなくちゃなんない書類もある。ちょーめんどくさいなぁ、もう。




*


「っあー!首いてぇー」


仕事をある程度片付けて一息吐く。さっき淹れた筈の5杯目のコーヒーがもう冷めてる。あー、カフェイン取りすぎちゃった。今日、俺寝れるかな。カフェインって眠気覚ましの効果あるんだよね。コーヒーも美味しいけど何杯も飲むと飽きてくるし、ココアでも飲もうかな。

なんやかんやでずっと書類と向き合っててすげー首が痛い。あとペン握りすぎて指も痛い。座ったままの姿勢で腰も痛い。尻も痛い。ああ、もう全身痛い。どーせ俺の体は歳寄りだよう。

コーヒー飲むのに飽きた俺は冷蔵庫からいちごミルクを取り出して少し息抜き。ココアはなかった。まーいちごミルクもおいしいからいいけど。

時計を見れば短い針は9を、長い針は5を指してた。…ん?俺の見間違い?俺の時計の読み方が正しければ今は夜の9時25分。窓の外を覗くと真っ暗。田舎だから星がよく見える。今日の授業が終わったのは夕方4時。そっからぶっ続けで俺は仕事整理してたってこと?…やばい。5時間以上机と向き合ってたってことだよね。俺、普段の学校生活でも授業中こんな集中しないよ?カフェインやべェ。集中力ハンパねェよ。おかげで俺の机の上に溜まった書類は3分の2以上は片付けれたのは喜ぼうと思う。


とりあえず今はご飯だ。晩ご飯。ちょーお腹すいた。食堂って10時には閉まるから早く行かないと。



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