天邪鬼の猫。 | ナノ




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『お前、風紀の野郎の事が好きなのか』

『好きじゃなかったらソイツのこと考えねェだろ』

『もういい、お前もういらねェよ。別れてやるから、風紀の野郎でも何でも付き合えよ。お前のことだからどうせ腰でも振って誘ったんだろ』



あーコレってさっきの1年生の子を粗末にあしらったから神様からの天罰?好きな人に「いらない」って言われんの、胸が苦しくて、切なくて、涙がこみ上げて来て、頭が真っ白になって、頭が回らない。

俺の好きな人は、あんたしかいないのに。



「…俺のこと、遊びだったなら初めからそう言えばいいんだよ」


俺だけ本気になって、すんげー情けないじゃん。






バンッ、荒々しい扉の音が響く。かいちょーはこの生徒会室から出てった。俺はそれと同時に床に崩れ落ちる。座る力もない。涙がボロボロと溢れて出てくる。肩が、手が、全身が震えてるのが分かる。


「…何で信じてくれないんだよ…“篠”のばかやろー…」


振られたって言うのに、俺“篠”のこと諦められる自信ないよ。



「くそう…胸が…痛いなあ…」


自分の胸を強く握る。つい1時間前まではこの部屋で篠とラブラブでいてたんだ。
付き合ったあの日から毎日毎日飽きもせず喋って、お互いに触れて、抱き合って、キスもして、セックスもした。

何で、こうなったんだろう。俺、もう何も考えらんない。もう、“篠”とはいれないんでしょ?…ンなの耐えれるわけねーじゃん。



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