天邪鬼の猫。 | ナノ
6
「涼ちゃんどうしたのー?」
「大丈夫ー?」
「ああ、なんもない。へーき」
すると双子が俺を心配してくれたみたいでそう声を掛けられる。
「どうしたんだよ涼!なんか具合悪いのか?!」
双子と俺の会話になにか思ったんだろうか、てんにゅーせいがそう言ってきた。まあある意味お前のせいだね。おかげさまで気分が悪い。
「凛、駄目ですよ。涼に近づいては。孕んでしまいますよ」
…ちょっとちょっとふくかいちょー。何今の聞き捨てならない発言は。ふくかいちょー、俺とかいちょー付き合ってるの知ってるよね。セフレも親衛隊いないのも知ってるよね。何その大嘘。てんにゅーせいに変なこと吹き込まないでよね。いつもならそう言ってくだらないなあってヘラヘラ笑って過すけど、今の俺にそんな余裕はない。
「なっ…!涼!お前セフレがいんのかっ!?」
「…」
「何とか言えよ!!いるんだろ!!そんなのは駄目だ!!愛なら俺がやるから!!セフレとは全部手切れよ!!」
ちょっと何この子。冗談ってことくらい分からないの?ふくかいちょー言いだしっぺなんだからこの子止めてよね。いいめーわく。
てんにゅーせいが騒いでるのを見てかいちょーに双子、てんにゅーせいの付き添いの不良の4人はなんだ、と驚いた表情で俺を見た。
双子はもうおもしろがってるよねぇ、むかつく
さっきは心配してくれたのに、なーんでちょっとした騒ぎ起きてんのに止めないで笑ってんだよ。俺は注文したパンを食べる手を止めずてんにゅーせいの話を無視した。
「もしかして、セフレに脅されて付き合ってたりすんのか!!?誰だソイツ!!俺が文句言いに行ってやるよ!!」
「無視すんなよっ!!俺、涼がセフレと手切るっていうなら何でもするぞ!!“友達”だからな!!」
「“友達”の間で隠し事はナシなんだぞ!!?俺に言えよ!!いくらでも聞いてやるから!!」
ああ、もうほんとうざい。今、俺に何も言わないで。話しかけないで。
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