天邪鬼の猫。 | ナノ






(side 朝陽)



「も、りた…先生…っ!」


こんな森田先生は初めて見る。生徒からの信頼も厚く、こんなことをする人ではないと思ってたんだが。
武道は嗜んでいたし力には自身があったつもりだったが森田先生の俺を拘束する力がかなり強く抵抗しても森田先生はビクともしない。


「なんで久代はンな顔してんだよ?」

「…っ先生には関係ありませんよ。離してください」


それでも拘束されたままなんて気に食わない。俺は両手を出来る限りの力を精いっぱい振り絞り足掻く。本当は足を振り上げて森田先生の鳩尾を思いっきり蹴飛ばしてやりたいところだが仮にも相手は一応先生だ。しかも俺は風紀委員長。蹴飛ばすわけにもいかなかった。
そんな俺の立場を理解した上で先生は俺のズボンに手をかけベルトを外しチャックも下ろして太ももの中途半端な位置にまで下ろす。かなり動きにくい…!

本当に蹴ってやろうか、と一瞬考えたがきっと森田先生は俺がそう考えているのを見越した上で中途半端にズボンを下ろしたんだ。この状態では逃げることも蹴ることもできない。
先生本人はズボンを下ろしてからまた下着の上から俺の半勃ちのソレに強弱をつけながら触れる。


「い、い加減に…っ」

「――なぁ、久代」


さっきまでのおちゃらけた声とは違い一段と低い声が耳元で囁かれた。それと同時に先生の吐息が耳に吹きかかり右耳に全身の熱が集中したような感覚になる。目の少し下あたりがすごく熱い。こんな感覚は初めてだ。全身にゾワ、と鳥肌に似た感覚のそれが走る。


「お前がそんな顔してると、先生悲しいだろ?」


何があったのか話してくれないか、とやけに真剣でどこか悲しそうな声がそう言った。



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