天邪鬼の猫。 | ナノ




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「はは、涼の顔ひどいよ」

「朝陽のばかちん、鼻水つけてやるー」


うりうりと俺はベッドのすぐ側にいる朝陽の腰に両手を回して抱きつき朝陽のお腹辺りにズビズビと鼻水をつける。まあ冗談でやってるわけだから本気でつけやしないけど。それにしても朝陽のお腹ちょー硬いな。俺も腹筋ぐらい割れてるけど朝陽みたいにここまで硬くない。自分とは違う他人の腹筋が何故かおもしろくてもっと頭を押し付けるようにぎゅーってする。


「…なんか甘えん坊だな、今の涼」

「甘えてねーもん。…もうちょっとだけこーさせて」

「いくらでも。何なら胸も貸すよ」

「胸はおっきくて柔らかい女の子のおっぱいがいい」

「はははっ」


朝陽といるとまじで癒される。さっきの篠とのやり取り、忘れるとかなかったことにするってゆーのはむりだけど朝陽といると少しは気持ちが落ち着く。
ベッドの上で上体だけを起こし足にはシーツを掛けたまま朝陽の腰に抱きつく俺は顔を上げ朝陽を見上げると眼鏡の奥の朝陽の黒いビー玉みたいに綺麗な目と俺の目が合う。


「朝陽…いつもありがとぉ」

「どういたしまして」


優しく朝陽は俺の頭を一度だけ撫でて仕事があるから戻るね、と部屋を出て行った。



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