天邪鬼の猫。 | ナノ




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「つか、朝陽はなんでココに?」

「職員室前の廊下で西園寺とすれ違って、俺に早く涼のところへ行けって言ってきたから」


“涼の看病を任したはずの西園寺になぜそんなことを言わなければならない”と怒り半分、俺に何かあったのかと疑問と不安半分に朝陽は俺のところに駆けつけてくれたらしい。やっぱ朝陽は優しいなあ。鼻水つけてごめんね。



「あ、朝陽…仕事は?こんなとこいてだいじょぶ?…俺が心配かけたせーで…」

「俺の自己満足だから気にするな」

「朝陽まじやさおー」


そう言って俺の頭をいつもみたく優しくヨシヨシする朝陽を揶揄する。すると朝陽は俺の頭を撫でる右手と俺の背中を擦っていた左手を前に回して俺の頬っぺたを抓る。まあ抓るって言ってもむにむにして弄ってる感じ。痛みはない。


「たーてたーてよーこよーこまーるかいてちょんちょん」

「いたっ」


最後の「ちょんちょん」が痛かった!ちょびっとだけ頬っぺたヒリヒリする…うぅ…つーか朝陽がそんなん歌うとかちょー意外。真顔で歌うとか朝陽のキャラじゃねぇ。ちょーウケるんだけど。


「あー…地味に痛くて涙出てきた…」


ほんのちょびっとだけ、欠伸したときとか笑いすぎたときに出る涙がでた。



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