12
「かいちょー、なんでずっとここいんの?俺、もうちょっと休んだら仕事に戻るけど」
「仕事はさせねェつってんだろ」
「だぁめ。締め切り間近の書類かなり溜まってるんだからあ」
「俺がやっとく。とりあえずお前は寝ろ。んで飯食え」
久しぶりの暴君かいちょーだ。…さっきまでは無視されてたのになんで今はこんなに喋ってくれてんだろ。倒れたおかげかなあ。そうだったら俺毎日倒れちゃうのに。
「…――久代に言われてんだよ。『停学期間中は涼の看病をしろ』って…」
「朝陽が…?てか停学って…?」
「………だからお前に仕事はさせるつもりはねぇし停学は…受けるべき処罰を受けただけだから気にすんな」
気にすんなって気にするに決まってんじゃん…!んなの言われたら余計気になる…。
「書類留めたり書類確認するのも駄目なのー?寝ながらでもできるよう?」
「ぜってぇ駄目だ。熱もあるんだろ、寝とけよ」
今起きたばっかなのに寝れないしー。熱つっても微熱だし大丈夫だもん。篠の分からず屋めー。
「…ちゃんとイイコにしてたら久代をここに呼んでやるから、今は大人しくしてろ」
- 110 -
[ prev * next ]
栞を挟む