天邪鬼の猫。 | ナノ
11
「…少し熱いな」
あーなんか言われてみれば頭ボーってするかも。
「熱出す前に今のうちゆっくり休んどけ。生徒会の仕事は他の奴らに任せろ。あとちゃんと寝ろよ」
「しょーがねぇから授業も病欠っつーことにしといてやらァ」
「生徒会の仕事…!」
他の奴らに任せろ、って。ふくかいちょーも双子も仕事しないのに…!俺が仕事しなかったら篠1人仕事に追われて篠まで倒れることになっちゃうじゃん…!
俺はシーツを勢い良く捲りベッドから降り…ようとしたけどぽん、と胸を篠に押された。
別に痛くはなかったけど、びっくりした。
「お前は黙って寝てればいいんだよ」
俺の目を真っ直ぐ見つめて言うんだもん。俺は何も言えなかった。
「じゃ、俺は仕事があるから戻るが西園寺、仕事と看病の両立、頑張れな〜」
「うっせ。さっさと行けよ」
もりちゃんはそう言って仮眠室を出る。その1時間後にはこーちゃんも小川くんもちゃんと寝とけよとかお大事にって言って自室に戻っていった。
今はベッドで横になる俺とその横の椅子に座って鳳凰学園の生徒会長だけが持つことのできる判子を片手に篠は書類に目を通してた。
「かーいーちょー。俺、仕事手伝うよぉ?」
「……テメェは黙って寝とけ」
また無視されるかと思ったけどそうでもなかった。
目は合わせてはくれなかったしぶっきら棒な言い草ではあったけど返事してくれただけで嬉しいからとりあえず俺は満足した。
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