天邪鬼の猫。 | ナノ
7
(朝陽 side)
「篠…っ!!俺と1週間も会えないんだぞ!?さびしくな…」
「―久代、俺を処罰しろ。澪たちよりも重く、だ」
しつこく騒ごうとする葉山の言葉を遮り西園寺はそう言った。
「お前…何を言って…」
「涼が倒れた理由は俺達が今まで涼1人に仕事を押し付けてきたからだろ。停学は2週間でも1ヶ月でも1年でもいい。反省文も何枚だろうが提出する。俺を処罰しろ、久代」
呆れた。馬鹿じゃないのか。そんなことで罪滅ぼししようとするつもりか。
土下座されたとしても俺はお前を処罰する気なんかこれっぽっちもないというのに。
「俺はこの学園の生徒会長だ。生徒会の失態の責任は全て俺にある」
本当に、どいつもこいつも馬鹿じゃないのか。涼は仕事だの義務だのの抜かし、こいつは責任だのなんだのと抜かす。
涼がこれを知ったら、きっと…いや、必ず悲しむんだろうな。自分のせいだと己を攻めるに違いない。
「…西園寺は停学10日間と反省文30枚提出、そして停学期間中は……涼の看病をしろ」
余計なことをしてしまったかな。だが、この2人にはちょうどいいんじゃないんだろうか。
今の言葉に、悔いはない。―――――俺は涼の笑顔が見たい。倒れるなんてもっての外だ。
「間抜け面を晒すな西園寺。水名瀬たちも、処罰に不満があるならいつでも言いに来い。退学にしてやる」
俺は西園寺の間抜け面と水名瀬と柳瀬兄弟の怒り、葉山凛の怒号、新条たちの睨みを背に生徒会室を後にした。
- 105 -
[ prev * next ]
栞を挟む