天邪鬼の猫。 | ナノ




危機


いろいろと事件があった俺の高2の夏休みも終わり秋風が少し冷たい9月。学園祭に関する夏休み中に完成させないといけない書類もなんとか間に合って2学期の始業式を迎えてから数日、俺は人生にまたとない危機に直面していた。

10月初めに学園祭があるから各クラスで出し物を1ヶ月前の9月には決めて準備しないといけない。うちのクラス、2-Cも例外じゃなくHRの時間を使って学級委員長、通称いいんちょーに協力してもらって今、出し物を何にするか全員で話し合ってるところだ。

で、バカの集まりみたいな連中が出す案と言えば単純すぎるものばかり。


「女が見たい!」

「おっぱい!巨乳はどこだ!」

「ちょ、おま!女と言えば幼女だろ!レッツロリ!」

「女装カフェにしよう!もしくはコスプレ喫茶でも可!」

「ナース服希望!」


…うん。おまえら天才ですか。やっぱ健全なる男子高校生の思考はこうでないと。学園の殆どがゲイやホモを占めるけど2-Cは特待生や外部生が殆どだからこのクラスの半分以上はノンケが多い。つまりはこの学園特色の色に染まってない奴が多いからこんなあほみたいな意見ばっかが飛び交う。お前ら中学生か。


「その案採用!」


びし、っとナイス案を提案した鈴木に指差して言えばクラスのむさ苦しい奴らがうおお!と立ち上がり咆哮する。


で、結果的にうちのクラスは女装喫茶をすることになって誰がコスプレするか決めるところ。そう、問題はここだ。



「やだやだ!俺絶対女装なんかしないから!」

「天下の会計がノリ悪ィぞー!」

「お前ならやれる!メイド服着て上目遣いで『おかえりなさいご主人様』って言ってみろ」

「そんなん知らないもん!俺は絶対やらないからねぇ!山田とか可愛い系の奴らにやらせてよぉ。俺がやったってキモいだけじゃんかぁ」

「抱きたいランキング栄光の1位のお前ならそこらの男はイチコロだ!」


勝手に話はどんどん進められ抵抗空しく俺はコスプレをしなくてはいけない接客係に任命されてしまった。おまえらまじふざけんなし。



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