俺のクラスにいる林田愛佳は、とても顔がいい。ていうか俺が愛読しているファッション雑誌のリーダー的存在、林田さんに似ている。しかも名字が一緒ときた。 芸名なのか本名なのか知らないけどみんながフルネームのなかでひとりだけ名字っていうのが、俺は好きだ。 憧れの林田りーだーは置いておいて、もう一度俺のクラスの林田に戻そう。 そいつは、顔がいいばかりでなく音楽の才能があるらしい。秋からは部長に選出されていたし、俺にはよくわからないけどコンクールで賞も貰ったり。 ほかにも今年の生徒会で唯一の推薦入りだったり、成績も毎回順位一桁!しいて言うなら運動は苦手らしいけど苦手と言うわりにクラスの女子で一番速いし。 兎に角、彼女は非の打ち所がない完璧な人間なのである。羨ましい。 「高尾行ってこいよー」 「んー…」 高尾と林田ってきっとお似合いだよな。あれ?でも喋ってるの見たことなくね? いつも連んでるグループ所謂いつメンで話しているとき、突然そんな話題になった。面白半分だとは思うけど俺からしたら面白くもなんともない。 それでなんであんなことを言ったのかな俺。馬場抜きをして負けたら、林田に話しかける。そんなことを言ってしまったのだ。 高嶺の花を代名詞にもつ林田愛佳に話しかける?そんな恐れ多いこと簡単にできるかっての。その反面、彼女に話しかけるきっかけが欲しいと思ったのも事実かもしれないけど。 それにほら、林田と話してるあいつ。ミーハーやら噂好きやらで有名な女子だ。そんな奴がいるのに林田に話しかけたら、俺が林田に片思いしているって噂が立ちかねん。 そんなことを頭の中でぐるぐる考えていたところ、ミーハー女が一際大きな声をあげた。 「黄瀬君とよく遊んだ!?」 林田はあくまで小さいときだけだよ、と坦々と返す。その後も会話が続きミーハー女が騒ぐ理由がわかった。 彼女たちの話題の中心はバスケ部でも話題のキセキの世代。そのうちのひとり、黄瀬涼太だ。 この話題なら、話しかけられる。俺の中で一大決心をし、林田に話しかけた。 (交流のきっかけは、クラスの男子とミーハー女と黄瀬涼太) *20130623 実はこういうやりとりがあって話しかけたんどぜって話。今日思いついたんですけどね← すみません番外編って難しいですね思いつかない!もう一個!短編!どうしよう! こんな管理人ですみませんでも頑張りますようお粗末さまでした! prev / next ←BACK |