私の学校には音楽コンクールなんて厄介な行事がある。正直な話、文化祭とかしたいけど高校がやってるし…。 そんな中学生の唯一の希望が有志。クラス対抗の合唱以外で、演奏したり踊ったり…そういうことができる。 でもまぁ、面倒だしやりたくなかったっていうのが本音。よく注目。やりたくなかった…だよ。過去形なんだからねかなり大事。 「世名、練習すっぞ」 『んー…』 バンド組もうぜとか高杉が言い出して、ギターとベースとドラムは決まってたらしい(主に鬼兵隊だけど)。 それから、グラサンが作曲とかするからキーボードがいないってなって…。 ついでに音楽判る人も居ないって。 それで何故か私が選抜された。 『…鬼兵隊でやればいいのに何故私を巻き込む』 「あぁ?お前なんとかってピアノのコンクールで表彰されなかったか?」 『…で?』 「キーボード出来るし音楽知識ありそうだし」 『人は見かけで判断しちゃいけないんだよ。バンドやったことないし』 「なんとかなんだろ」 一瞬本気で殴りたくなった。でも高杉と言い合ったところであっちが折れるわけないし、そんなことしてる時間も勿体ない。 もっともバンド練習なんかしてる時間も勿体ないけど。 「とりあえず今日楽譜貰ったから頼むわ」 『意味判らん。とりあえず各自自主練って言っといてよ。15分後合わせる』 「だってよ」 「了解したっス」 「ツンデレというやつですかね…惹かれますねぇ…」 …変態退場令出していい? * * * 『それじゃ、15分経ったから合わせます。ドラムカウントお願い』 「ワンツースリーフォー」 …? 案外しっかりしてるこのバンド。 ドラムの金髪が少し飛ばし気味だけどそれはドラムっぽいと思う(詳しくないから知んないけど)。それに、ベースの変態がテンポ安定してて歯止めになってる。 …高杉は普通に上手い。 てゆうかこれ誰か歌わないの…? 「ふぅ…どうだ」 『…初心者?あんたら』 自信満々に頷く3人。 無駄にムカつく。その子供っぽい満面の笑みやめない? 『ドラムとベースはもうちょっと頑張って。高杉…あんた結構上手い』 「ふっ、そうだろ?」 (誰か今高杉のドヤ顔見た!?)(あん?ドヤ顔なんかしてねーよ。つーかしてるわけねーだろ馬鹿にすんな)(はぁ…ヤケになっちゃって大人気ない…) ◎20111026 ちなみに高杉がボーカルらしいです。 ←BACK |