なんだかすっげぇ胸糞の悪い話を聞いた。あぁ、もちろん誰かに怒ってるわけじゃない。誰も悪くないんだけどさ。

勘違いだって誰でもあるだろうしそれはしょうがない。ただ、なんでそれを俺に言ったかがどうかが問題であって。


俺にとって姫宮…名前覚えてねーや。そいつは二年連続同じクラスで、よく話すってだけのまぁ言うならば友人。それ以上でも以下でもなく。

まぁ確かに一年からの付き合いだしよく席替えで隣にもなるから、他の女子よりは仲良いんだろうけど。本当にそれだけ。

それに、今は荒木と仲良くなりたい。勉強教えて、なんて言いながらだいたいのことは教科書に書いてあるし理解もできてる。そりゃ荒木のが賢いんだろうけど、でも教えてもらうほど俺も馬鹿じゃないの。

兎に角、俺は荒木と仲良くしたいわけ。恋愛かはわからないけどさ。体育館に呼び出したときの、あのときの笑顔を思い出すだけで頬が熱くなる。あ、やっぱこれ恋じゃね?

だからさっき姫宮に言われた台詞はどうにも受け付け難いってか、根拠なしにそんなこと言うなっての。


「高尾君、騙されちゃダメだよ。荒木さん、黄瀬君と付き合ってるみたい」


そんなこと、あるわけねーんだから。実際に黄瀬と荒木の喧嘩を目の当たりにして、あいつらがそんな浮ついた関係じゃないことぐらいわかってる。


でも、本当に、付き合ってるんじゃないか?って思っちゃったり。

だってあの家族はハイスペックだから。黄瀬にしたって、お兄さんにしたって演技は楽勝。そんな奴の従兄弟で、妹なんだから荒木だって余裕じゃ…。

あぁ、でも出来ないなって思う。黄瀬と普通の従兄弟でいたかったってそう泣いた荒木は、必死だったから。きっと演技なんてする余裕なかったから。あいつはいつだって素直だ。

信じていいのかわからない。だけど、俺が信じてあげなくて一体他の誰が信じる?そう思ってしまうあたり、やっぱり俺は荒木が好きらしい。

まぁ今はとりあえず。


「荒木!テスト勉強のお礼なんか奢るから帰ろうぜ」

「え、いいよそんなの。逆に申し訳ない」

「いいからいいから!」


放課後デートを楽しみたいと思います!




(そういえばテストの結果どうだったの?)(ふっふっふ、二桁の順位取りました!)(凄いじゃん)(毎回一桁には言われたくねーけどな)

*20131208
策士高尾…こいつ…勉強を口実にデートまでこじつけやがった…!いや書いたの私なんだけどね


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