03 要約すると、こういうことになります。 万事屋に訪れた私は、建物に入る前に白い大きななにかに衝突され意識を失った。それで焦った万事屋さんは私をソファに横にする。 ここまでは良かったと思うのです。常識の範囲内であると思うのです。 なにを思ったのか耳元で叫びだしたのだ万事屋さんは。そりゃ無事か確認したいというのもわかるけれど、脈を計るとか方法はあるはずだ。 「いい加減にしてください私の鼓膜破るつもりなんですか!?」 と思わず叫び返してしまったことには後悔しているけれど、不可抗力。叫ばれたから叫び返しただけ。第一印象としては最悪だ。 そして現在。 「すみません、気絶させてしまった挙げ句気も遣えなくて…」 「いえ、私も皆さんが必死に私の無事を確認しようとしているのに叫び返すなんてお恥ずかしい…」 なんてお互い謙虚になって謝りあっている。 実際叫んでいたのは今謝っている志村さんじゃなくて坂田さんと神楽さんらしい。が、突然叫んだことが相当衝撃的だったのかソファの後ろに隠れる始末。 私はどうしたらいいんでしょうね。いつ、話を切り出せばいいのか…。 「ところで麻希乃さん」 「(きた!?)」 「万事屋の入り口にいたということはなにか依頼ですか?」 そうです!という意味と感謝の気持ちを込めて志村さんの手をがっしりと握った。嫉妬にしかならないけれど、こういう気配りができる人って素敵だし、こういう人になりたかった。 依頼とわかったからか坂田さんも志村さんの横に並ぶ。単細胞ですかと突っ込みたくなったのはさて置き、本題に参りましょう。 「仕事をください!!!」 このときの三人の間抜け面を、私はきっと忘れない。 (今…あの、え?) (お願いします!もうホームレスなんて嫌なんです!) (いやだからあの麻希乃ちゃん?) (せめて寝場所だけでも…!) --------------- *20121028 変なとこで終わってみる← ←BACK |