07

「なに?バーゲン?これからバーゲンが始まるんですか?」

「いえ…そういうわけではありません、安心してください。坂田さんの衣服は商品にしませんから」

「だよな、売らないよな。ならもう少し綺麗に畳めよ」

「………」

「おい黙るのはなしだろ」


バーゲンと言われても仕方がない。床に広がる衣服は、どれもただ畳まれてるだけ。折り目ははっきりしないしサイズもバラバラだ。

自分から働かせてくださいとは言ったものの、ここまでなにもできないと本当に情けない。かといって出て行くようじゃ長谷川さんの恩が台無し。

だから、なんとしても出て行くわけにはいかないのです。


「坂田さん…花嫁修行してください…!」

「おいおい花嫁って俺は旦那のうるせー姑か。そういうのは柳生のとこにでも行ってくれ」

「わかりました短期修行に行ってきます」

「ちょ、本気にすんなって!冗談だから!」

「冗談なんですか?」


坂田さんは溜め息をついたのち頷いた。なんだか随分と深いうなずき方だった。

にしても、このままだと迷惑をかけてばかりだ。柳生さん?のところにお世話にならないとするならどこに行けば…


「はっ!志村さんのお姉さんのとことか…!?」

「それだけは辞めろ!!なら柳生のがマシだ!………あ、そうだ」

「?」

「真選組の女中でもやってみれば?」


聞いたことがある単語だ。えっと…確か武装警察真選組でしたっけ?攘夷浪士を取り締まるとかっていう…あの……。


「ききき、危険じゃないですか?」

「あー…麻希乃ちゃん顔はいいからなぁ…」

「最低なこと言ってますけど言い返せません」

「ここから通えば大丈夫だろ」


とのことらしい。なにがどう大丈夫なのかは知らないけれど。

坂田さんはなにやら出掛ける準備を始めた。今から真選組に行くのだろうか。…そういえば真選組に知り合いがいるのでしょうか。それって凄いんじゃ…


「なにない頭で考え込んでんだ」

「失礼な!事実ですけど!」

「とりあえず行くぞ」

「はーい」


スクーターの後ろに座り坂田さんに抱き付けば、なんだか暖かい気持ちになった。




(坂田さんお願いします!)(へいへいわかりましたよお嬢さん(ちょ胸が!麻希乃ちゃん胸!))



*20121207
というわけで家事編終了ですけれどもあんまり貶されなかったのでまたなにか考えます



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