失恋した………というのも、彼女がいる相手に告白したのだから当たり前。そうわかっているのに割り切れない自分が嫌い。 あの人は、私にとってまるで太陽みたいな人だった。暖かくって、優しくて、私の道を照らしてくれる。でもそれは私だけじゃない。わかってたじゃないか。ミツバ先輩みたいな美人な彼女さんがいて、幸せそうで。報われない恋をした私が土方先輩の目には哀れに映ったに違いない。 「なにしてんでィ」 「………沖田か…」 あぁ、なんで沖田もこんなときに現れるんだろうね?泣いてぐしゃぐしゃになった顔で、どんな表情を作ればいい?無理して笑えばいい?尚更哀れじゃん。 「土方コノヤローじゃなくて残念だったかィ」 「そんなことない、よ。てゆうか、今土方先輩に会えるわけないじゃん」 優しい先輩はきっと困っちゃう。先輩はなにも悪くないのにね。ふられたあとなのに先輩の優しさばっかり思い出す。こんなにも土方先輩のことが好きだったんだなって実感する。 「土方のどこがいいんだか俺にはさっぱりでさァ。姉上にしてもお前にしても」 「…あんなに土方先輩に大事にされててよく言うね」 瞬間、沖田の赤い瞳が私を睨む。 本当に最悪だ。先輩には未練たらたらで沖田には八つ当たり。こんな女、始めっから土方先輩と釣り合うわけなかったか。 「お前だってそうだろ」 「え?」 「あーもう、わざとやってんですかィ?」 「…!?ちょ、沖田!?」 急に引っ張られて傾いた私の身体は、あまりにも自然に沖田に包み込まれた。なんで、なんで?怒ってたじゃん。てゆうか 「痛い。痛いよ」 「俺だってお前のこと大事にしてんでさァ!」 「おき…た……?」 「それなのに土方土方土方…どれだけ土方のこと話せば気が済むんでィ!いい加減気づきなせェ!」 気づけ?なにに?それよりも今のこの状況がよくわかんなくてパニック状態。わかんないよ沖田。いったい……… 「好きだ」 「え………?」 「何度も言わせるんじゃねぇよ。好きだっつってんでさァ」 あぁ、やっぱり私が嫌い。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、だけど。沖田にときめいちゃった。 (弱ってるときに漬け込むなんざ最低な男でィ) (でも絶対に離さねぇ) (最後まで、責任とってよね) --------------- thanks 表裏一体*20120924 ←BACK |