改めて、3Zの皆が大好きなんだって。そう思ったんだ。 ♂♀ 「今日ね、頑張って言ってみたの」 「なにを?」 「……一人暮らしのこと」 帰ってきていきなり俺の腕を掴んだと思えば、そんなこと。いや、でも華奈にとっては相当大事なことらしい。家族なんて大切にしてこなかった俺は、正直どうでもいいもはや面倒くさいと思ってる。 だってそうだろ?家族なんてただ括りで、所詮人は人。他人でしかない。俺にとっては強いかが重要で、あのハゲも神楽もどうでもいい人間。そこら辺にたくさんいるサラリーマンと、コンビニに溜まってるギャルなんかとなんら変わりないんだよ。 華奈だって、そうだ。 俺をこうやって住まわしてくれてるのは感謝してる。本当はしばらく野宿するつもりだったし。でも、それだけ。なんて思ってしまう俺は軽薄なのだろうか。別にそれで構わないけど。 「私のクラス多かったんだ、一人暮らししてる子」 「………そう」 「だからみんな受け入れてくれた。変な心配すんなって、迷惑上等だって」 余程嬉しかったのか、華奈は涙目。でも笑っている。嬉しそうに、ここにいない誰かを思いながら泣いて、笑っている。 悔しいけど、今の華奈の表情は綺麗だ。涙目だけどいい目をしている。ってあれ?華奈は俺にとってただの他人で、興味なんて全くない。そうだろ?じゃあなんで… 華奈から目が離せない? いやいや、そんなことあるわけないと言い聞かせる。確かに華奈は可愛いと思う。でも強い人間、ではない。 「神威…?」 「ん、あ、なに?」 俺の顔を下から覗きこむ。すると自然に上目遣いになるわけでそのなに?涙目とか反則だと思うんだけどどうだろう。 そんなことを思っていると、華奈は俺にとどめを刺した。 「ありがとう。皆に言えたの、神威のおかげだから」 さっきの笑顔と比べものにならないその笑みで確信した。俺はどうやら華奈に惚れてしまったらしい。 (ちょ、神威なにしてんの!?恥ずかしい…) (なにって撫でてるだけだけど?) (幼稚園児じゃないんだから…!!) --------------- *20121019 初めての神威視点でした、わかんない ▲▼ ←BACK |