神威が来て3日目になるわけだけど、いつまでいるつもりなんだろう。まぁ独り身だからいつまでいてくれてもいいけどね。お金もあるし。 「そういえばさ、華奈の家族は?」 「……は?」 「だから家族」 「えーと、その、別居?」 「ふーん」 「(ふーんって!ふーんって!?)」 私にとっては言いにくいそれも、神威からしたらふーん程度で済まされちゃう。らしい。これならちょっと訳ありでって濁した方が良かった悔しい。 一人暮らしって大変なんだよ畜生。それで周りに心配されたくないから黙ってるけど。 「なんで言わないの」 「心配されたくないし」 「…華奈って実はバカ?」 「なにさ唐突に」 「いやだって華奈って神楽と同じクラスなんでしょ?」 「…………神楽ちゃん知ってるの?」 「妹だから。ちなみに俺一人っ子で通ってるから秘密事項ね」 なんか頭の中で洪水が起きてるよ私の頭じゃ処理できません。バカって言われた理由もわかんないし、しかも神楽ちゃんのお兄ちゃん!?確かに似てるかもしれない珍しい橙色の地毛とか綺麗な青い目とか。 そしてあの私のテンションが高い理由はあれです。神威から秘密を言ってくれたっていうなにこれ嬉しい。神威って人を寄せ付けない雰囲気あるけど、これは少しでも心を開いてくれたって。そんな風にとっていいの? じーっと見てたら神威が不機嫌な顔で見返してきた。今の状況が不満なのか。 「…で、神楽と同じクラスなんだろ?」 「うん」 「あいつは言ってくれたほうが嬉しいんじゃないかなってね。神楽に限らず白髪のクラスはそんな連中ばっかりでしょ」 そっか……。あ、そうだよね。銀ちゃんのクラスだもん、3Zだもん。バカみたいになって私の支えになろうと頑張ってくれるはず。それが私は嫌だったけど、彼らは隠されてるのが嫌いだ。 まさか他校に気づかされるなんて思わなかった。私も秘密にされてるの嫌だもん。そういう連中の集まりだって知ってたじゃん、私。 (ところでなぜ先生もご存知で?) (獲物だから) (?…獲物?) --------------- *20121017 神威は妹は自分にとって弱味だから隠してると言いつつ妹を巻き込みたくないっていうのが本心だったら素敵。 ▲▼ ←BACK |