僕は貴方が好きでした。そう泣く幼子を、誰が抱きしめられずにいられようか。わんわんと泣く幼子、こと藤内は、泣いていることが影響してかいつもより温かかった。じんわり仙蔵の中に、その温度は浸透していく。
「立花先、輩」
聞こえてる。聞こえているよ仙蔵はそっと囁いた。背中に回された細い腕に力がこもる。心の中で仙蔵は彼の名を呼んでみたけれど、勿論それは藤内に届くはずもない。
「立花先輩」
もう一度、藤内は名前を呼んだ。温かい体が心地よくて仙蔵は離れたくなかったけれど矢羽音で早く来いという催促が聞こえている。仙蔵は行かねばならなかった。藤内、と心の中で名前を呼ぶ。
彼を離せば狂おしいほど愛しい時間が全て終わってしまうような気がした。
「どうか、どうか、お元気で」
「ああ」
「僕たちのこと、忘れないで」
「忘れないさ」
「立花先輩」
「うん」
「大好きです」
過去のことにはできない愛おしさ、種類は違えど今二人は同じ感情を共有している。私も大好きだよとやっとの思い出返すと、藤内はむしろ愛していますと言った。
仙蔵は泣きたかったような気はするのだけれどなんだかおかしくて笑ってしまった。














何を誤ったか藤仙。最初綾仙にしようかと思ったけど文章と指が藤内を選んだ。
あと最近気付いたけど結構仙蔵受け好きだ。伊仙文仙藤仙綾仙。
なんだここは実って王道サイトなのか…って思った人は一度CP一覧表を見直してみるといいんだぜ。
本当マイナーサイトじゃなくて雑食サイトだからここ。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -