三之助、と名を呼ぶ声が三之助はいっとう好きだった。だから関心を此方へ向ける。即ち迷惑行為を繰り返すのだ。なるべく無自覚で通じるものを選び、普段通りを通す。
彼が名を呼ぶ声が三之助は好きだ。
「三之助!」
しかしながら彼が普段の日常生活の中で名を呼ぶことはない。それが迷惑行為を繰り返す理由である。三之助が彼に迷惑をかければ否応無しに名を呼んでもらえるし、関心も向けてもらえる。
ただ嫌われるのではないかという問題があるのだが、そんなことは乗り切った。別段気にすることではないようだった。だって彼は既に三之助を嫌いなのだから。
「はぁい」
しかしまぁ、三之助は彼に呼ばれさえすれば。それでいいのだ。
馬鹿な想いはしまっておこう。















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無自覚で勘違い
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