青く澄み切った青空を見て、恨み言を連ねる方がイカれているのだと加藤は思う。
(わかってる。お門違いだ)
風がびゅうと吹き渡って、長くなった加藤の髪を揺らす。心地の良い風を今確かに、加藤はその肌で感じた。雲の隙間を塗って顔を出す太陽は暖かい。深い森の奥の向こうには、きっと沢山の見知らぬ世界が存在していることだろう。そしてそこには見知った世界も少なからずあり、級友たちも、皆、どこかに点在している。
(だから)
拳を握り締めた際のぎりりとした音に無性に鼻がつんとした。泣かないように僅かに顔を持ち上げる。
辺りは静かだった、静かだった。馬の声ひとつすらしない。そうやって加藤は、これからだって救われていく。鼻を啜り上げて思った。この感情は決して忘れてはいけないものだ。
風がまたびゅうんびゅうんと吹き渡って、加藤の髪や服をばさばさ揺らす。土埃がほんの少しだけたって、土に立てられた小さな石をわずかに、覆った。


















人の死に耐える必要はない。
清八たちは空気を読める人たち。
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