しがみついて泣くと、あなたは抱き締めるでもなく頭を撫でるでもなくただ背中を向けて私が泣きやむまで待っていてくれた。泣きやんだ後だって抱き締めるでもなく頭を撫でるでもなくただ立ち上がって私の首根っこを掴んで、ずりずり廊下を引きずって部屋へ連れて行ってくれた。その力強さはまさに問答無用で、部屋に連れ戻されるたんびに心配して寄ってきてくれる級友たちの優しさに私はまた泣いてあなたは一人去っていった。最初の頃はあなたが私をいじめてるって勘違いしてたなあ私もあなたもそこまで深いような関係ではなかったのだけれど。本当なら、泣きつきそばにいてな関係ですらなかったはずなのだけれど。
そんなことを何度繰り返したっけなあ。一年から五年になってそしてあなたが卒業する今日私が六年になる今日までずっとそんなことをしていたね。私もあなたもきっと繰り返す意味なんて知らなかった、けれど涙の熱さを思えば意味なんてどうでもいいことだったんだろう。私はとても弱くてあなたはとても優しかったから。
桜がひらひら舞ってった。あなたが立てたあなたの仮の墓にふわふわかかる。



泣くなよ情けない、とは、あなたは最後まで言ってくれなかったね。ありがとうでもそれでいいのだってそれだけで私は、私は。





















きっとどこまでも救われていた?
(さようなら先輩、先輩)
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