手を繋いだ、彼の手は温かかった。伊作と手を繋ぐ為に温めたのだという。つかの日を思い出して、伊作は思わず笑った。留三郎も笑っている。
あの時自分たちは3年生だった。
「もう、こんな風に手を繋げなくなるんだなあ」
笑いながら伊作は言った。留三郎は呑気にあーと言って、辺りを見渡す。白い。どうりで腰かけている縁側の縁も冷たくなるわけだ。
「あの頃が懐かしいな」
留三郎が言って、伊作はうんと頷いた。沈黙は短い。ぽつり、ぽつり、二人は声を出す。
「伊作」
「なあに」
「あん時は、気ぃ遣わせて悪かったな」
「はは、今更じゃないか、そんなの」
「今更って、まあ、そうだけどよ」
「もしかしてあの時謝ってなかったの気にしてた?」
「…多少は」
「君らしいな」
「ふん、うっせえな」
「留三郎」
「なんだ?」
「やっぱり君は強くなったね」
「伊作、お前もな。不運だけど」
「一言余計じゃないか!?」
「ははは!」
「まったく…!…、…留三郎」
「うん?」
「好きだよ」
伊作は笑う。
「好きだった」
突然の言葉に、留三郎は驚いた。驚いたけれど、やがて笑った。長らく外にいたせいで伊作の鼻は赤い。
「俺もだよ」
ぎゅう、と互いに手を強く握り返す。冷たくなってきたな、と留三郎は言った。伊作は頷く。
「戻ろう」
本当にあの頃のようだね、二人は笑いが止まらないまま手を繋いで部屋へ戻っていった。熱を取り戻し始めた太陽が、二人の背中を静かに見つめた。













個人的に、
6は→未練のない綺麗なさようなら。
6ろ→未練はやっぱりあるけどお別れだ!さっぱり系さようなら。
6い→未練のない挑発的なさようなら。
「次に会えば殺してやる」「…ふん。楽しみにしてるわ」
みたいな。ね!

ちなみに更に個人的に五年生は奇跡的に五人同じところに就職決まりそうです。それで五人でわんややってほしい。
四年生から下は完っ全にばらばらになってほしいなあ。
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