story6

挑発的に唇を歪めると、綱吉は青ざめた顔を悲しげに歪ませた。けれど、その目がまるで聞き分けのない子供を見るような目だったから、少しの冷静を取り戻していた私は、また心を荒ませる。どうして私がそんな目で見られなくてはいけないのか、そんな考えが頭を過ぎた。いつだったか、ベルが言っていた気持ちを思い出す。まだ子供だから。それは、今の綱吉が私に抱いているのと同じ感情だろう。哀れみにも似たそれを綱吉は口にした。

「姉さん、帰ろうよ。姉さんの気持ちはわかったから」

何が?
まさに私の心はその言葉一色に染まった。一体何を理解したというのだろう。

「ねえ、綱吉。あんたはここへ来て、リボーンとディーノさんの力を借りてここへ来て、一体私の何を理解したの?私の受験を邪魔して、その挙句に今度は自分が受験だからチビちゃんの面倒をみろ、ですって?ふふ、そんなことを言い出す人間に、理解されるほど単純な思考を持ち合わせた人間じゃないわ、私。大体始めから気に入らなかったの。色んなことから逃げてたくせに、いきなりヒーローになろうだなんて。綱吉、あんた一体、いつから私より秀でた人間になったの?いつから、人様の命を預かれるほどの人間になったの?」

嫌味な言葉を並べて、可愛い弟を黙らせた。周りの奴らは怖い顔でこっちを睨んでいたけれど、綱吉は泣きそうだった。幼い頃の泣き虫だった君を思い出す。あの時のまま、あんたも弱い弱いダメツナだったらよかったのかもね。
ね、綱吉。


「私、今のあんたが大ッ嫌い」


告げられたのは
(泣き崩れたあの子を見て)(どうして胸が痛んだのか)


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a。


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