| story5 |
私が自分の父親の仕事を理解し、また自分の立場を理解したのは、小学校四年生の頃だった。私の誕生日が近づいた十二月、久しぶりに帰宅した父親が私を自分の部屋に呼んだのだ。たまに遊びに来るおじいさんを覚えているか、と問うたお父さんが辛そうな表情をしていたことは、今でもはっきりと覚えている。 「あの人はな、お父さんが命をかけて守らなくちゃいけない、とても大切な人なんだ。ティモッティオさんといってな、ボンゴレ、というマフィアのボスなんだよ？お父さんはあのおじいさんの為に働いているんだ」 石油なんて嘘なんだよ、と言ったお父さんが一体何を考えていたのかは、大きくなった今でも分からないけれど、きっとそれは私のためだったのだろう。現に、マフィアだ、何だ、と騒ぐ弟達を見ても慌てることは少なかったのだから。 「大切な話だからこそ、他の人には話しちゃいけないんだ。わかるか？」 怖い顔をしたお父さんは、私が頷くとニッコリと優しいいつものお父さんに戻った。といっても、いつものお父さんなど、私は知らないのだが。 「それから私は、お父さんの仕事についてずっと聞かされたよ。時間が足りなかった分、特に綱吉が後継者候補に入っているということについては安全を確保した端末でのメールによって教えられたんだ。それでも全てを理解するには時間がかかってね。やっと覚え切ったのは、中学生になってからだ」 その頃にはお父さん経由でベルフェゴールとも仲良くなっていたが、お父さんとしては気に食わないどころではなかったようなので、割愛する。さて、それでは 「理解したかい？無能ども。あんた達には、私の心配よりすべき事があるだろう？」 歪めた唇の真実 （嗚呼、なんて悲しいの！！） - - - - - - - - - - ぱふぅ ←top |