story2

「で?お前は何でここに居るんだ?」

仕方ないから置いてやってるが、と呟く男。
やっとハーブティーで落ち着いてきたのにそんな事を聞くなんてスクアーロにはデリカシーがないと思ったりもするが、生憎無理を言って居候しているのは私なのだ。答えないわけにはいかない。けれどこれは私一人の問題ではないから、少し考えた上で協力者、もとい共犯者であるベルに言ってもよいか、と訪ねた。

「いいんじゃね?だって俺は言われたとおりにしただけだし」

なんて男だ。無責任にもほどがある。思わず舌打ちをしたくなったが、このベルフェゴールという男にスクアーロほどの妥協と寛大さなんて有るはずもないから大人しく先ほどの問いに答える事にした。

「綱吉が、自分が受験だからって居候たちの面倒を見てほしいって言うのよ。それが嫌で堪らなったから逃げてきたの」

強く握ってしまい少し嫌な音を立てたマグカップはルッスーリアの自慢の一品らしい。それでもごめんなさい、と言うと優しく許してくれるのは彼、いや彼女の心の広さなのだろうか。

「それだけか?お前のような人間がそれくらいでこんな所まで来るわけねーだろ?なんせ言葉も通じねーんだし」

「それに、俺に連れて行けってせがむくらいだしな」

そう言って私に愚痴ることを許してくれるこのスクアーロという男も対外に優しいと思う。それは何も聞かずにここまで連れてきてくれたベルフェゴールという青年にも言えるだろう。それを知って、私はますます嫌になった。だってこの現状は


まるで私が悪い子みたい
(優しいことは罪じゃないけど)


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