story1

リボーンとの長ったらしい通話を終えた私は、手にしていたトランプをテーブルに叩きつけた。まだ終わっていないゲームを途中で捨てられたのがむかついたのか長い髪の男が私を睨む。

「何?文句でもあるの?」

それがどうも気に障ったから舌打ちを一つ投げつける。けれどスクアーロは何もせず、近くのソファーでファッションカタログを読んでいたルッスにお茶を出すように言っただけだった。

「まあお茶でもお飲みなさいな」

ルッスの入れてくれたお茶はハーブティーだったようで独特の風味が鼻を抜けていった。琥珀色の水面が揺らぐ。

「あのさ、私って一応考えて話すタイプなのね?例えば誰かと話しているとするじゃない?そうしたら私は話の展開を考えて使えそうな単語とかを探すわけ。つまりね、私は単語を探して組み立てて再確認してから、それから人と話すのよ。わかる?」

今こうしている瞬間もそうであるのだと目線で語る。スクアーロは言質をとられたくねーんだろ、なんてかわいくないことを言ったが、あながちそれも間違いではないのかもしれない。だって今も私は自分に不利な要素を探しているのだから。

「ししっ、でもお前さっきはすげー感情的だったぜ?」

嫌味な王子様が私の捨てたトランプを弄びながら笑う。せっかくフルハウスだったのに、なんてやっぱり庶民くさいだろうか。

だって私、一般人だもん
(よく言うぜと男達は笑ったが)



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