朝から少し喉が痛かったように思う。あまり気になるほどじゃなく、大したことじゃないと自己判断を下し学校に普通に登校してきた。その自己判断は間違っていたらしく、少しの違和感があっただけの喉はじくじくと痛みだした。後には咳まで出る始末。体調が本当に悪いときほど保健室には行きたくない。心配を含んだ目を向ける先生が苦手で、家のことがバレて目の色が変わったりするのを見て人の汚さを垣間見た気がするのが嫌なのだ。
「藤くん、体調わるいの?」
おろおろとした様子のアシタバが不安気に聞いてくる。
「ああ、大したことない」
そう言うと、すこしだけアシタバは眉をしかめて「無茶はしないでね」となんともアシタバらしく干渉をしない返事が返ってきた。

お昼前には体力は限界がきていた。着々と何らかのウイルスが体を侵蝕しているのが面白いほどわかる。等々目眩までして、視界が霞んだ。体が熱い、なのに 背中あたりがぞっとする。ガタン!と机が倒れたような大きな音が近くで鳴り、ふ と意識が遠のいた。

我慢


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