御史台長官室
「イヤ、……きゃあ、あぁ!………」
優しく吸われただけなのに快感の波に溺れる悲鳴を上げ、瞬く間に絶頂へと達してしまった。
達した後も優しく、意地悪く秘部を舐められ皇毅の頭を力なく押し返す。
「指と口、それからどうして欲しい」
どうしても言わせたい欲情の視線が絡みつく。
もう何を言おうとお互い様だと玉蓮は抱きついて皇毅の待っていた言葉を耳許で囁いた。
窓を揺らす風の音で我に返りそうになるが皇毅の陰茎に秘部を貫かれ再び意識は霧散してゆく。
何度も身体を重ね男を受け入れられるようになった秘部へ容赦なく皇毅の欲が沈められ叩きつけられる。
淡々としている規則的な律動がたまらなく気持ち悦い。
最奥を突かれると身体の芯が震え秘部がギュッと絞まるのが自分でも分かる。
その度に陰茎を吸われる皇毅からも嘆声が洩れ、低い息遣いが耳許を擽った。
「も、もう……達っちゃう……ん、皇毅さま、ぁぁん!」
突き落とされるような感覚に怖くて皇毅にすがり付くと、腰の動きはそのままに見詰められ、玉蓮は我慢できずに欲情の沼へ零れ落ちた。
昊を舞っているような心地好さから沼に落ち強い快感に襲われもがいていると秘部がドロリと熱くなる。
玉蓮の中で皇毅の陰部がビクビクと震えているのが分かった。
続いて皇毅も絶頂に追い詰められ、最奥に押し込んだ先端からドクリ、ドクリと愛欲が吐き出された。
「愛している、……」
せり上がる欲を抑えられず吐精しながら低い声を洩らす。
そんな姿も堪らなく好きだった。
暫く呼吸を整え波がおさまってもダラダラと抱き合い後戯の愛撫を繰り返していた。
白い肌に吸い付き、思うがまま痕をつけると皇毅が満足気に眸を細める。
「そういえば王宮だったな……皆々様が働いている手前もあるので一回にしておくか」
「……………」
玉蓮はチラリと周りの状況を確認する。
掛布も敷布も皺まみれ汗まみれ、言いたく無いけれど情事後特有の匂いも充満している。
一回という問題ではない気がする。どうするのだろうかこの室。
心配しているのに皇毅の方は至って冷静を通り越し呑気な様子だ。
「それで私の天女は天に帰るのか」
「………衣もないのに、帰れません」
そうか、と皇毅は抱きついてくる。
「ではずっと私の傍にいてくれるな」
「も、もう!天には帰りませんがお邸には帰りますよ!衣を出してください」
隠してあった衣服を奪還した玉蓮は急いで身支度を整えた。
邸の者がきっと心配しているだろう、早く帰らねばならない。
皇毅も脱いでいた官服をそのまま置いて私服の方を羽織る。
「裏口から出るぞ」
「え、皇毅様もお帰りになるのですか?」
「…………このまま放るほど薄情な男だと思っていたのか……なんならまた縛って表から出てもいいんだぞ」
返事を待たずに玉蓮を抱き上げると安堵したように身を寄せて来る。
−−−羽衣のない我が天女、
天に帰らず、
ずっと傍にいればいい
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