長官の浮気尋問


「…………ちょっと待て、」

信じていた心が呆気なく吹っ飛び、ムカっ腹の立った皇毅がむぎゅっと玉蓮の頬を緩く抓ねる。

「ひたひ、……」

痛い、と訴えるが止めてやらない。

その話、どんな根深さだ。


「何故、簪を捨てなかった」

同じ質問をもう一度する。

「高価過ぎたのでお返しせねばと……いえ、私……本当は……嬉しかったのです。手当てをした時、私の手は酷くあかぎれていて、とても後宮女官とは言い難い成りでしたのに……その方はそんな私にも『女官様』と言ってくださって、」

嬉しかったのです。
と、訴える玉蓮は既にぽろぽろと大粒の涙を零していた。

「でも、でも結局その方とは二度とはお会いしておりません……どうかお許しください……」

許すも何も、自分と出会う以前の話だった。
咎め立てする筋合いはないが、もし−−−

横領事件に巻き込まれず、そのまましつこい武官が通い続けていたら。

きっとお互い、別の人生を歩んでいただろう。

「縁とは、面白いものだな……、お前にはどうやら『恋愛結婚の相』があるようだ」

「皇毅様は人相まで分かるのですか!?」

分かるわけないだろうと、無言で涙の雫を吸いとれば心地好さそうに瞳を閉じる。

後宮に犇めく絢爛凄艶な美女達の陰で甲斐甲斐しく働く清楚な花に目をつけるとは、その武官の趣味の良さは褒めてやる。
しかし、彼女との縁の深さも想いの強さも自分の方が明らかに上だ、そして彼女を妻にして交わるのも。

皇毅は腰を抱え直し、再び挿入を深くして腰を上下に動かす。

下生えが当たる卑猥な感触が癖になり、わざと擦り付けると玉蓮は顔を真っ紅に染める。

「あ、……ん、んん、皇毅さま、皇毅さまっ……!」

苦しそうに泣き濡れる声を聞きながら耳朶を口に含み、秘部へ指を這わせる。
膨れる突起に指の腹を当て陰茎を叩きつければ快感に潤んだ可愛い声が上がった。

この声を聞くのも、あかぎれた指先を癒してやるのも、傍に居てやれるのも。


己だけだ


夢中で腰を動かし秘部を堪能していると、玉蓮の両足が震えだし皇毅の腰にきゅっとすがりついてきた。

限界が近いと訴える仕草だが、皇毅は意地悪く「まだだ、」と釘を刺す。





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