妻風邪をひく


花弁の頂上に膨らむ突起の周りを緩慢になぞれば、白い身体はしなり涙を含む声が上がった。

もうじきこの身体が火照り紅潮してゆくことを知っている。
皇毅が空いた手で膨らみを増す胸を愛撫してゆくと、丘陵は皇毅の愛撫にあわせしなやかに貌を変えて撫でる手中から溢れた。

触って欲しいだろう乳首に指先が掠めると、殊更に甘い声が上がる。

その声を聞いているだけでも満たされる感覚。湧き上がる情と甘美な感触に思考が溶けてゆく。

「こうきさま……」

未だに触って欲しいと言えない初な妻だが、言えなくても身体の反応を見ていればどこが快いのか容易に感じ取ることが出来た。

そのだけで満足だが……やはり欲しいと言わせたい。
初でとぼけたところのある妻を寝台の上で淫らな女に貶めてやりたかった。

「どこを触って欲しい」

「んんっ……」

はぁ、と溜息を洩らし、優艶で官能的な世界に落ちてしまった玉蓮は恥ずかしそうに瞳を閉じて皇毅の手に自分の手を重ね秘部へと近づけた。

「こ、ここが…すき」

控えめなおねだりだが十分だった。ご褒美とばかりに中指を花弁の中へと押し入れ拇指で膨れる突起を撫でてやる。

「きゃあ……あ、あん、はぁん」

体中に響く可愛らしい声。
決して激しく動かさず、淡々と続けられる皇毅の愛撫に愛情を感じる事が出来たのか、安心したような吐息が暗い室内に充満してゆく。

その声と指に伝わる秘部の収縮に皇毅の昂ぶりも強くなってゆく。

身体をしならせ苦しそうな表情で甘える姿に、全身が痺れ愛欲に支配されてゆくのが分かった。

挿入したわけでもないのに甘い痺れは治まらず、思わず肢体を絡めつけた。

「こうきさま……!あ、あ、わたし、」

夢中で玉蓮が抱き返してくる。紅潮した身体が熱かった。
震えながら秘部を皇毅の指に押しつけて快感の絶頂に昇りそうだと湖面の瞳を瞬かせ密やかに伝えてきた。

「しっかり抱きついていろ」

頂きへ導いてやるために擦る指の動きを速めてやると、既に限界だったのか一際高い声をあげ、すがりつくようにきつく抱きしめて至福の時を迎えた。

「ぁん……こうきさまぁ……!」

快感が皇毅の上気した身体へ染み込んでくる。
抑えられない欲を感じ堪らず皇毅も唇に吸いついた。

名前を呼び合い、舌を絡め合う。
拙い仕草で唇を舐め返す健気な姿も溜まらなく可愛いと皇毅は食べるように深く口づける。

汗で湿った額に絡み付いた前髪を梳く優しい手とは裏腹に、陰茎を柔らかい太股に押しつけていた。
固く立ち上がったものを肌で感じ、玉蓮の潤んだ瞳から涙が零れてくる。

「すき……こうきさまは……?」

「私がどれほどお前を愛しているか…知っているくせに」

腰から下半身を引き寄せられ撫でまわされ、自然と皇毅の腰を包み込むような体勢になってゆく。

心も身体も受け入れられる。そんな睦みあいだった。






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