終わらぬ夢


目を泳がせながら身体もおろおろさせている純情な玉蓮の姿を見て知らぬ振りをする皇毅は顎を掬って口づけた。

「んんっ……!」

色気の無い声を上げるが、開いた唇の隙間から舌が侵入し、太股を擦っている手も徐々に内腿へと移動して来た。

皇毅以外とは経験がない玉蓮はどうすれば官能的な女人だと感じて貰えるのか、このままただ横になっているだけで本当にいいのか未だに分からない。
経験豊富で官能的な女人を好みそうな皇毅の相手にするからこそ心配で気が散って仕方がなかった。

入ってきた熱い舌に対してどう応えていいのか思案しながら、とりあえず自分の舌で舐めるように絡めてみると自然と泳いでいた瞳は閉じられる。

そのまま求め合うように唇を合わせているうちに、覆い被さるような体勢になったと目を閉じていても音と感触で分かった。

「……あ、熱い」

「何処がだ」

わざと耳許に寄って囁かれる。
低い声が耳許をくすぐり耳朶を舐めると、身体の中心が疼くように熱くなった。

口づけられ耳を舐められただけでこんな風になるなんて、この先どうなってしまうのかと気が遠くなる。

するする、と腰帯が引き抜かれ肌が露わになると玉蓮の右腕が胸の前で交差し肌を隠し、左腕は太股に延びた手を止めようとする。

「あの……ただ寝そべっているだけですみません。床上手とはどのような感じになればいいのでしょうか」

「知らん。間が空いているので激しくするつもりはないが痛いかもしれないぞ」

解してやるから力を抜けと囁かれる。

「わ、私……」

指を秘部へ這わせると、既に花弁がぷっくりと膨らみ濡れていた。
親指で膨らんだ突起を圧しながら長い指を二本差し入れると玉蓮の身体が小刻みに震える。

ほぐしてやらなくても大丈夫そうだと意地の悪い事を考えつつ、濡れた秘部を指で弄る感触が堪らない。
思考が散漫になり隠していたはずの胸が露わになり視線の先で揺れている。

(俺はこんな好みを前に手を出さず、碁とか打って終わっていたのか……馬鹿か)

矜恃がやたら高い変人だからなのだろうが改めて自分の根気強さに感銘する。
凰晄あたりにはもしかして男色趣味なのかと疑われてもおかしくなかった。

中指で最奥を撫でると苦しそうな唇から嬌声が漏れ出る。
しっとりとして艶めかしく、秘部は皇毅の指に吸いつくように絡みついてくると、身体の底から交わった感覚が鮮明に蘇ってきた。

射精の瞬間を長々と延ばせるはずなのに、引きずられるように吐き出してしまった強烈な感覚。

絶対に他の男になど知られたくない。
自分だけ知っていればいい。

もっと色々と焦らす予定だったのだが、指を吸う秘部の感触で矜恃と理性が崖の下へ落ちてゆく。

「こうきさま、……はぁ、痛くありませんので、」

大丈夫ですと、

苦しそうに呼吸しながら微笑む美しい容。
愛している、その言葉にする刹那すら惜しく感じた。





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