曇天の月blog
侍女達の座談会
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今夜も葵家の侍女達はお菓子を持ち寄り座談会
侍女その1)
「突然の事件、そして居なくなってしまった姫様。この後お二人はどうなってしまうのかしら」
侍女その4)
「居なくなったんじゃなくて攫われたのよ!お若くて美しい姫様は人攫いにあってしまわれたのよ」
侍女その2)
「違います。若くて綺麗な女を攫うつもりなら私達だってごっそり居ない!」
侍女その3)
「あはは、おもしろーい」
侍女その2)
「あはは、じゃない!」
侍女その1)
「そうよ!ようやく奥様が来て下さったと思っていたのに。人攫いだなんてあんまりだわ」
侍女その2)
「だから違うって言ってんでしょ。そんなの当主様が本気出せばそんな奴ら明日の太陽すら拝めないし」
侍女その4)
「俺はまだ本気出してないだけ。ってやつ?」
侍女その1)
「当主様はいつ本気出すの? 今でしょ!」
侍女その3)
「あははは!つまんなーい」
侍女その2)
「私達の知らないところで何かが起こってるのよ。私達、蚊帳の外ってわけ。所詮侍女だし……同情するならカネをくれ!」
侍女ズ)
(ふ、古っ……)
侍女その3)
「つまり私たちってば呑気にお菓子食べていることしか出来ないのかしら?もぐもぐ」
侍女その4)
「もぐもぐしながら言わないでよ」
侍女その3)
「だって今日のお菓子美味しいんだもの!」
侍女その2)
「当主様と凰晄様が沈黙している限り、私達に出来る事は限られているの」
侍女その1)
「何か出来ることはないかしら……?」
侍女その2)
「あるわ。私達にしか出来ないことよ」
侍女その4)
「私、なんでも協力するわ」
侍女その2)
「有能な侍女として、姫様が当主様のお室に隠したであろう春画の数々を回収して差し上げるのよ」
侍女ズ)
(…………ぽかーん)
侍女その4)
「そ、それ……必要?」
侍女その2)
「必要よ!私だったらそんな乙女の黒歴史 春画!なんてものを愛する人の室へ置いて来ちゃったなんて気が気じゃないわ」
侍女その3)
「姫様はそんな事すっかり忘れてると思う」
侍女その1)
「もし当主様が見つけてしまっても眉毛も動かさず屑筐へ捨てるだけだと思う」
侍女その4)
「他に何か出来る事はない?」
侍女その2)
「それ以外は……ないわね」
侍女ズ)
「な、ない……!?」
侍女その3)
「でも姫様が帰って来ると思うから春画の回収をしようなんて言うんでしょ?」
侍女その2)
「当たり前じゃない。帰って来て下さるから言ってるし考えているのよ」
侍女その3)
「案外離し難いのは当主様の方かもしれないわね」
侍女その2)
「多分そう」
侍女その1)
「当主様が姫様を連れて帰って下さる日を待ちましょう」
侍女ズ )
「帰っていらしたらまた一緒に美味しいお菓子を頂きましょうね」
2013/12/13
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