楽しい楽しい海の世界
自由で気儘なステキな暮らし
でもね
あなたのためなら全て捨てられるのよ
海の守り人
今日も私は海を一人漂う。
尾びれをリズム良くくねらせながら海中を進む。
ゆったりゆったりと海中の彩る景色を眺めながら宛もなく移動する。一人で寂しくないの?とかよくお魚さんたちに聴かれるけれど、全然そんなことはない。だってお魚さんが私の側にはいつもいて、話し相手になってくれるからね。
それにもともと私の一族は変わり者だから。みんな今頃自由に海をさまよっているはずだ。お母さんやお父さんの顔もここ数年見ていないし、従兄弟の子達にもいつ会ったのかすら覚えていない。そんないい加減で気儘な生活を送るのが私たちの一族。
人魚の中でも変わり者な私たちの一族は家を持たない。多くの人魚たちが暮らす魚人島にも年に数回買い物のために寄る程度。
そんな私が恋をした
海は広し、世界もまた広し。その広い世界の中でどうしてなんだろう。
まさか私が人間に恋するなんて。
しかも人間の海賊に
今まで目的もなにもなかった私の生活が一変し、私の生活は彼一色に染まった。毎日頭の中は彼で一杯。彼の海賊船だって毎日追いかけてる。もちろん気づかれないように気をつけてね。
こういうの、ストーカーって言うらしい。
お魚さんに教えてもらいました。
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