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「敵襲だ!戦闘に備えろ!」


この近海を治める海賊が宣戦布告をしてきた。そこそこ名のある海賊だが、所詮は俺の足元にも及ばない程度の雑魚。俺の船だとは知らずにつくづく運の悪い奴らだ、と嘲笑う。


それは俺が手を下すまでも無く、海の藻屑となった。


「無駄な時間をかけたな」


全く手ごたえのない奴ら。粋がった馬鹿の末路は大抵こうしてあっけなく終わる。


俺は後の処理を船員たちに任せて、奥の部屋に引っ込もうと、踵を返す。しかしそれはある船員の声によって阻害された。


「キャプテン!」


船員の声に振り返ると、慌てた顔の船員とその両手に抱え込まれた少女が目に入った。俺はあからさまに嫌そうな顔をする。そんな女など捨て置けばいいものを……


「き、急に戦闘中にこの子が振ってきたんですよ!」
「腕とわき腹を打たれてるみたいで……」


だからなんだ、と冷たくあしらう気だったが、少女を良く見ると整った顔立ちをしていることに気づいた。


船員たちの慰み者程度にはなるか……


俺は船員から少女を奪い取ると、奥の室に今度こそ引っ込んだ。




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