暖かい・・・・・・
なんて感情を
どれくらいの間忘れていたのだろう
もう一度あの子供たちと話してみたい……
そう思った言葉を私は急いで頭から振り払った。私にそんなことを思う資格などないから。
そうだ、私はあの子供たちを・・・・・・
私は当初の目的を思い出し、眉根を寄せた。自分が汚く、醜い存在だということは自分が一番知っている。
何を戸惑うことがあろうか。いつものように、誰彼構わず殺めるだけではないか。私は非情な人間なのだから。
私は身体を起こそうと、腹に力を込める。しかし体中にびりびりと痛みが走り、私はあまりの痛みに思わず声を上げる。
「大丈夫か、お姉さん……!」 「な……!?」
私が痛みに必死に耐えているところに、少年が駆け寄って来た。その金色の髪した少年は心配そうに私の顔を覗き込む。一瞬、自分の顔の筋肉が緩むのがわかった。でもそれはほんの一瞬のこと。だって、私はこの子のことを……
殺そうとしたーー……
「……さん!お姉さん!」
少年の声にはっと我に返った。私は少年を睨むようにして見上げる。
「……私を始末しにでも来たの」
それはとてつもなく凍てついた瞳。少年はそんな私の瞳を見つめながら言った。
「ちげーよ。たまたまこの部屋の前を通ったら、お姉さんの苦しそうな声が聞こえてきたから……!し、心配になって……!」 「……」
なんて澄んだ瞳なのだろう。その瞳は決して嘘をついていなかった。
「私はあなたを殺そうとしたのよ」 「……」
少年はそう呟く私を見ながら頭を掻くと、ためらわずに言った。
「でも悪い人には思えないし……」
白き少年 (あなたが白なら私は黒だわ)
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