許さない


赦さない


この命尽き果てようとも


地獄に突き落としてくれよう




















私の世界は醜い。そう思い始めたのはいつからだったろうか。それが両親を殺されたときなのか、奴隷にされたときなのか、それとも自分自身の世界を失ったときなのか、いろいろありすぎてそれすらも思い出せない。とにかく、世界は醜いのだ。唯一その言葉だけ覚えている。何度唱えてもしっくりくるその言葉。そして、私はきちんと理解している。この言葉を唱える私も醜いということを……


私はまさに、復讐のみを目的として生きてきた。来る日も来る日も思い浮かべるのは、母の呪いの言葉と憎き男の顔。あとは全て忘れた。両親と兄弟たちの顔すら思い出せない。剣術や魔法を習い、幾度も憎き男の首を獲る夢を見る。
復讐を遂げるためならばなんでもやった。騙して盗んで殺して。そうやって生きているうちに私の身は汚れ果てていた。


そして私がその憎き男の国で娼婦を営んでいる時、転機は訪れた。憎き男、つまり国王が私を妾として王宮に召し上げたのだ。器量には自信があったし、男の惑わせ方だって娼婦を営んでいるうちに覚えた。そうして、いつしか国王は私の虜となっていた。







機は熟したり
(復讐を果たすときは来た)













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