あーあ・・・・・・


なーんか退屈ー


飽きちゃった!





















「シェーラお姉さん!起きて!」
「え・・・・・・?」


知らない子供の声が腹の重みと共に耳に届く。子供の声に誘われるがまま、瞼を開ければ、目の前にターバンを頭に巻いた本当に見知らぬ子供が笑っていた。あれ・・・・・・でもどこかで見たことあるかも・・・・・・


「やっと起きた!お姉さんもうお昼の時間だよ!」
「・・・・・・」


一瞬、はっとして私は布団を剥いで、ベッドから飛び降り駆け出した。そして部屋の扉を開けた先に私を待っていた光景に私は力無くその場に座り込んだ。


子供の髪の色・・・・・・それはありえもしない海のような鮮やかな青。長すぎる髪。アラビア風の衣装。そして何より私が今いるここは私の部屋ではない。だから私はそれを確かめるために扉を開けたのだ。しかしそこに待っていた風景は私が今まで生活していた場所とは大きく掛け離れたものだった。大きな宮殿の何階かに位置するここは一体どこなのだろう。


「お姉さん・・・・・・?」


背後から先程の子供の声が聞こえたので、私はその子供に向き直る。この子にいろいろと聞いてみようかな。


「僕、いきなり走り出してごめんね?」
「大丈夫だよ!」
「・・・・・・あのね、それで聞きたいことがあるのだけど・・・・・・、一体ここはどこかな・・・・・・?」
「?」
「え?」
「・・・・・・」
「・・・・・・え?」


子供があまりにも不思議そうな顔をするので、私は余計にどうすればいいのかわからなくなってしまった。


「どこって、シンドバッドおじさんの宮殿に決まってるじゃないか」
「え、え、え・・・・・・え?」


シンドバッド?ってあの「船乗りシンドバッド」?
ぴーん、と来た。なぜそう思ってしまったのかはわからないけれど、でも私はその疑問を口にせずにはいられなかった。


「僕、名前はなんていうの・・・・・・?」


子供は一度呆けたあと、にっこりと笑った。


「アラジンだよ」


ほら、やっぱり・・・・・・


(そのまさかでした)